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随筆のブログ記事

随筆(ムラゴンブログ全体)
  • 額の中のナポレオン

    僕の額にナポレオンが産まれた。 革命という名の旗を引き下げ、我について来いと言わんばかりの態度を示す。 そう。僕の前髪は日々後退して行き、ナポレオンの進軍を止められない。 もともと僕の額(領土)は広かった。 生まれつき豊かな土地を手にしていたはずだ。思春期には大きなニキビも育ったあの土地だ。 それ... 続きをみる

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  • レジでの失態

    スーパーでレジに並んでいたら、アルバイトの若い女の子が僕の前のお客さんの会計に手こずりすごく待たされた。 僕の番が来た時に「お待たせしてすみませんでした。」と謝られたがその顔があまりにも必死だったのでとてもかわいそうに思えた。 僕も大学生の頃、コンビニでアルバイトをしていたのでレジの大変さはよく分... 続きをみる

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  • 何かを待つ人

    バス停に立っている人は基本的にバスを待つ人だ。 目当てのバスが来たらそれに乗り、消えていく。 以前住んでいたアパートの近くにバス停があった。時刻表の書いた柱があるだけの椅子も屋根もないバス停だ。辺りには藪が広がっており、本当にこんな場所にバスが来るのか?と思わせるようなところだった。 そんなバス停... 続きをみる

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  • 愛しのアイザック

    僕が以前いた工場は外国人労働者が多く、国際色豊かな職場だった。 僕が、初めて出勤した日はちょうど安全会議のある日で、右も左も分からない僕はグループ分けで一人だけ余ってしまった。 その場で立ち尽くしていると「ヘイ!」と声を掛けてくれる人がいた。彼に呼ばれるまま席に着くと、その席は完全に外国人グループ... 続きをみる

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  • 褒めちぎる人

    会社の先輩達と朝まで飲んだ帰り、僕は家までの道を歩いて帰っていた。時刻は4時過ぎのほんの少し明るくなってきたかという時間、すると一人で何かに話しかけている人がいた。 だいたいこういう場合は世の中に対する愚痴を吐き散らしている酔っ払いと相場では決まっているのだが、その人は「すごい!」「でかい!」「強... 続きをみる

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  • 過去から来た車

    会社からの帰り道、サイレンを鳴らしたパトカーが僕の車を追い越した。何かあったのかと思いながら運転していると徐々に道が混んできた。 時速10キロくらいまでスピードが落ちてきたころに突如、対向車線に側溝にはまった車が飛び込んできた。いや、はまったというよりむしろ突っ込んだといった方が正しい。 なんせ後... 続きをみる

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  • 不潔のグルメ

    僕は気を遣いすぎてしまうところがある。 それで自分が損することもよくあることで、あのときもそうだった。 街では美味しいと評判の定食屋に行ったときのこと。 その定食屋は孤独のグルメに出たこともあるらしく店にはサインが飾ってあった。 昔ながらの古い定食屋さんで、目玉焼きと生姜焼きがのった丼ぶりがイチオ... 続きをみる

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  • 進め!てんとう虫のボート

    「アヒルのボートに乗ると別れるらしよ」 当時、付き合っていた彼女に言われた。ホントは乗ってみたかったけど僕たちはアヒルのボートを眺めることしかしなかった。優雅に池を泳ぐアヒルたちを見て、いつか僕たちに子供が出来きて家族となったとき、またここにきてこのボートに乗ろう。と淡い約束をした。 そして僕は今... 続きをみる

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  • ユニークな寺

     僕が仏像に夢中だった頃。休みがあれば寺巡り。どんな山道だって仏像に会えるなら気にしない。その日も僕はとてつもない山道を抜けてある寺に向かっていた。そこの寺の仏像は住職の手作りでとてもユニークなものばかり。仏像も気になるがそれを作った住職も気になる。僕は期待を膨らませ寺に向かった。  寺に到着する... 続きをみる

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  • 山崎さん

    「神様はいると思う?」こう聞いてくる客には気をつけろと僕はバイトの初日にそう教わった。 そう聞いてくる男は"山崎さん"と呼ばれており、だいたい夕方頃から夜にかけて現れて、お客さんが減るとレジに来てひたすら話しかけてくるという。そのくせ、大したものを買わず、邪魔ばかりしてくる迷惑な客ということだった... 続きをみる

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  • 挨拶の心得

    僕のいた中学は規律の厳しい学校だった。 "立ち止まって目を見てあいさつ"がモットーで地元の人からもあの中学校の生徒の挨拶は気持ちがいいと評判だったくらいだ。 その中でもとりわけ野球部は規律が厳しくその野球部に所属していた僕はかなり鍛えられた。 まず、先輩と顧問を見つけたらどの位置からでも立ち止まっ... 続きをみる

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  • 海苔に溺れる

    机の角に足の小指をぶつけた。 激痛が走る。この痛みは何年ぶりだろうか。この前見た戦争映画のワンシーンが頭をよぎる。 銃で撃たれた兵士に救護兵が駆け寄るシーン。 「うわあああー、ハアッハアッハアッ」 「ヘイ、大丈夫だ。今、モルヒネを打ってやる」 「おい、待て、これ以上打ったらこいつは…」 「…」 「... 続きをみる

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  • タン塩の味

    友人が以前、「年末に地元の友達と焼肉行ったらその中の一人が店員さんとライン交換したんだよね」と言っていた。 友人曰く、焼肉屋の店員さんは積極的でノリが良く連絡先を交換しやすいらしい。そしてなりより可愛い子が多いという。 その話を覚えていた僕は友人を焼肉屋に誘った。友人はきっとこの話を覚えていないだ... 続きをみる

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  • ワカメ事件

    ワカメ事件 社会人になりお米を炊くようになった。 大学生の頃から一人暮らしをしていたのだがお米はあまり炊かなかった。 大学生の頃、一度、10キロのお米を頂いたことがあった。 そのお米をずっと放置しており、米袋を開けたとたん、小さな虫たちが大量に湧き出したことがある。 無数の虫たちがぼわあああと煙の... 続きをみる

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