災難を積んだトラック
私の生まれ育った町は畜産が盛んでよく牛や豚を乗せたトラックが走っていた。
牛はまだ良いのだが豚は臭いがすごい。
柵で囲われているだけなので臭いを外にまき散らしながら走っていた。
豚を乗せたトラックの後ろをバイクで走ったときはこの世の終わり。
"おぇー"おぇー"と言いながら運転していた。
ある試合の帰り道。私はその日の試合でミスをしてしまい落ち込みながらバイクを運転していた。
そんな時、目の前に豚ではなくなにやら木箱のようなものを大量に積んでいるトラックが走っていた。
なんだろう?
と気になっていたところちょうど信号が赤になったので、ゆっくりと近づいてみた。
"何かいる"
しかし、フルフェイスのヘルメットを着用していた為よく見えない。
そこで私は、ヘルメットのシールドを全開にしてさらに近づいた。
"蜂だ!"
その木箱はミツバチを仕込んでいた。
"しまった!"
私のフェイスはがら空きだ。
すぐさま締めたのだか一匹、ヘルメットの中に紛れて混んでしまった。
ヘルメットの中で鳴り響く
"ブブブブブブブブ"
"ブンブン蜂が飛ぶ♪"
ヘヴィメタルバージョンだ
ハチの音に合わせて首を振る。
ヘッドバンキングも披露した。
後ろの車(観客)も驚いてくれたようだ。
目を丸くして「どうした?!」と言わんばかりの顔をしていた。
結局、蜂は顔を刺すことなくヘルメットから出ていってくれたが、フルフェイスのヘルメットを着用した状態でX JAPANのYOSHIKI並みのヘッドバンキングをした為、首を痛めてしまった。
まさに泣きっ面に蜂。