趣味とコレクション

よろしくお願いします!

Big Boy

僕がBig Boyというレストランを知ったのは大学生になり上京してきてからだ。


はじめてBig Boyの店の前にある、人形を見たときの印象は今でも忘れなれない。



なんだ!こいつは!僕は衝撃を受けた。

ツッコミどころが多すぎる。


まずはなんと言っても、これでもかと言わんばかりに耳より高く持ち上げたハンバーグ!


非常に危ない!油が飛び散る。運んでくる君も危ないが、座っている私達からすると油が空から降り注ぐ。まるで、B29の空爆だ。


なぜ、その持ち方なのか?よほどテンションが高くないとその持ち方にはならない。右手が腰の位置にあることから


「お待たせしましたー!!手ごねハンバーグでーーーす!」と駆けつけてくる以外考えられない。


次に、髪型。なぜ、アルバイトごとき(アルバイトとは限らないが)でそこまで力を入れる。就活生並や。月にワックス、バケツ一杯分くらい使う勢いだ。ハゲるぞ!そして、髪に力を入れすぎて眉毛がおろそかになってるぞ!


そして、何より僕が一番気になったのは、この目だ!

この目線!!運んできた瞬間、誰が注文したかもう、彼は分かっているのだ!

右手前に座っているあなたでしょ?と決めつけたような目。


これはアルバイト5年以上やってないとできない。多分、彼は長老と呼ばれシフトまで作らされてる。


そんな彼を調べたところ5人家族の長男のボビー君だそうだ。出稼ぎだろか‥慣れない日本でこんなにも頑張っているのだ。見直したぞ!


そんなこんなで中に入り、手ごねハンバーグを注文し、


さぁ来い。ボビー君のように勢いよくハンバーグを掲げて持って来い!と待ち望んでいたところ


僕のハンバーグはカートに乗って運ばれてきた。僕の期待は油と一緒に飛び散った。

隣の席の彼女

飛行機や新幹線に乗って隣の席が空いていると僕はいつも期待してしまう。 


もしかしたら、可愛い女の子が乗ってきて

「あっ、どうも」

と最初はぎこちない感じで、

「帰省ですか?」

なんて話して、仲良くなっちゃうんじゃないかとか、つく頃には僕の肩に寄りかかって寝ちゃうんじゃないかとかいろいろ妄想してしまう。

まぁ、実際おっさんが乗ってきて隣で缶ビール空けて、僕の肘掛け奪われるのが常だが‥


しかし、そんな僕にも一度だけ、隣に女性が乗ってきたことがあった。


あれは、広島に向かう新幹線の自由席でのこと‥


2人掛けと向かいの3人掛けの椅子があり、

AB CDE  

と席があり僕はAに座っていた。そしてEにおばさんが座っている状態だった。


そしたら前からおそらくアメリカ人の3人家族(父、母、娘)が来て、娘さんは18くらいだろうか金髪でとてもスタイルがよく美しかった。

しかし、お父さんはゴリゴリの自衛隊のようないかついおっさんで

あ、これはBにおっさんでC、Dに娘とお母さんだなと、そして僕は窮屈になり肘掛けも奪われるんだと絶望していたところ


なんと!娘さんが僕の席を指差し「私こっちに座るわ」的なことを英語で言って僕の隣に来るではないか!


ゴリゴリのお父さんは怪訝そうな顔をしていたが僕はもう、これはきたぞと!綾鷹ばりに選ばれたと!有頂天になっていた。


そして、僕は自信に満ち溢れ、話しかけて、このチャンスものにすると心に誓った。


しかし、彼女は外国人、なんと声をかけたらいいのか?!ya!的なフランクな感じでにいけばいいのか?などと考えていたら彼女が座るやいなや 

「Hi!」と小声で話しかけてきたので僕はガチガチに緊張してしまい、

「アハーン」と言ってしまった。

しかも声が裏返ってしまってあえぎ声のようになってしまった。


彼女は父親の3倍ほどの怪訝そうな顔で僕を見て首を傾げた。それだけでなくCとD席の両親からも睨まれ、僕は広島までガタガタ震えていた。


自由のない自由席でのお話。